残債ローンのあるマンション住み替えのコツ

2019/03/05

マンションの買い替えを考えてはいるものの「残債ローン」があるので、どうしようかと思っている方も多いのではないでしょうか?

今よりもローンの負担を大幅に大きくすることなく住み替えが可能であれば、安心出来ますよね。

そこで、残債ローンがある場合の買い替えの方法やコツについて探ってみることにしましょう。

1.マンションの売却条件は「抵当権」を外すこと

マンションを売却するためには「抵当権を外す」ことが必要で、抵当権が外れない限りマンションを売却することは出来ませんので、抵当権と抵当権を外すための条件について確認しておきましょう。

抵当権とは?

まずは、抵当権とはどういう権利なのかチェックしておくことにしましょう。

 

抵当権とは、住宅ローンなどで金融機関からお金を借りたときに、住宅ローンの支払いが不可能になってしまった時に、住宅ローンを組むことになったマンションを銀行が取り上げることが出来る権利になります。

 

そして、「抵当権設定登記」を法務局に行なうことが必要になります。抵当権設定登記を行なうのは、住宅ローンを支払えなくなってしまった時には、債権者である金融機関が債務者である住宅ローン返済義務者のマンションを優先して取り上げることが出来る権利を有していることが保証されることになるからです。

 

抵当権設定登記手続きは、金融機関の方で提携している司法書士に依頼して行われるケースがほとんどですので、抵当権設定登記については書類を提出することで自動的に行なわれたという印象をお持ちの方が多いのではないかと思います。

それでは、抵当権を外すにはどうすれば良いのでしょうか?

 

抵当権を外すためには、「抵当権抹消登記」手続きを行なう必要があります。抵当権抹消登記するためには、債権者である金融機関から手続きに必要な書類を用意してもらう必要があります。

 

抵当権抹消登記の手続きについては、金融機関の方で行なってくれません。そのため、ご自分で法務局に出向いて自身で行なうか、ご自分で司法書士に手続きを依頼することになります。

 

抵当権は住宅ローンの返済が滞ってしまった場合の保障的役割になりますので、抵当権抹消登記のためには、住宅ローンが完済していることが基本的条件になります。そのため住宅ローンが完済していない場合は、一括返済するための何らかの手段を講じる必要があります。

2.住み替えローン(買い替えローン)のメリットとデメリット

それでは、現在のマンションの売却価格が住宅ローンの残りの債務金額を下回ってしまう場合は、抵当権を外すためにはどうすれば良いのでしょうか?

 

こうしたケースの場合「住み替えローン(買い替えローン)」を利用することでローン残額を一括返済することが可能になります。既に多くの方が住み替えローンを利用してマンションの住み替えを行なっていますが、契約した後で「こんなハズではなかった」ということのないように、住み替えローンのメリットとデメリットについて十分に理解した上で、契約されることをおススメします。

 

そこで、住み替えローンのメリットとデメリットについてチェックしておくことにしましょう。

住み替えローンのメリット

住み替えローンでは、売却するマンションの残債と新しく購入するマンションの購入金額をまとめて融資してもらうことが出来ます。

 

そのため、最もリスクが高いと言われている「ダブルローン」を組むリスクを避けることが出来ます。ダブルローンの場合、審査が厳しい上に審査をクリアしてもローンの支払金額が増えてしまうことになりますので、かなりの負担増になってしまいます。そして、現在のマンションのローンが予定よりも早く完済するためには、ローンの残債金額よりも高い価格で売却される必要がありますので、ハードルはかなり高い傾向にあります。

 

けれども住み替えローンを利用すれば、ローンの残債を手持ちの資金から支払う必要がありませんので、手持ちの資金を残すことが可能になります。

 

現在のマンションの売却と新しいマンションの購入には、マンションの購入金額だけでなく不動産業者への仲介手数料など様々な費用が発生してしまいますので、手持ち資金はなるべく温存しておくことが出来る方法を選択するようにしたいものです。この点においても住み替えローンを利用するメリットは高いと言えます。

 

また、住み替えローンの金利は、通常の住宅ローンの金利と同じですので、同じ金利で借入金額の増額が行われるという点も大きなメリットと言えるでしょう。

住み替えローンのデメリット

それでは、住み替えローンのデメリットとしてはどんなものがあるか、チェックしてみましょう。

 

住み替えローンを利用するためには、現在のマンションを買い主に引き渡す日(決済日)と、新しいマンションを売り主から引き渡される日(決済日)を同じ日にすることが必要条件になっています。

 

そのためこの決済日を同日にするための調整を行なわなければいけないのは住み替えローンのデメリットと言えるでしょう。

 

つまり、新しく購入するマンションが決まっても、現在のマンションが売れていない場合は住み替えローンを利用することが出来ないことになります。

 

また、住み替えローンの場合は、購入するマンションの評価額以上のローンを組むことになりますので、審査基準が通常の住宅ローンに比べて厳しくなってしまい、借入金額も増えてしまいますので毎月の返済金額もアップしてしまうというデメリットがあります。

3.購入するマンションが先に見つかってしまった場合の対応

住み替えローンを利用するには、売却と購入が同時に行なう必要があることが分かりましたが、マンションは売却先を見つける方が、購入するマンションを見つけるよりも時間がかかってしまうケースが多い傾向にあります。

 

そのため、ダブルローンなどのリスクを回避するために、売却先が決まってから購入するマンションを探す「売り先行」を行なう方が多くなっています。

 

けれども、現在のマンションの売り先が決まる前に、新しい住まいの条件にピッタリ合ったマンションが見つかってしまうこともあります。そんな時にはどうすれば良いのでしょうか?

 

売却先が決まっていない場合は「買い替え特約」を利用することで、一定の期間その物件を押さえておくことが可能になります。

 

買い替え特約は、購入契約を結ぶ際に、期間を定めて現在のマンションが一定の価格で売却出来ない場合は、購入契約を解約することが出来るという特約になります。

 

購入契約を解約すると、手付金が戻って来ますので購入者にとってはメリットの高い特約になります。

 

けれどもこの買い替え特約を付加するためには、売り主の同意が必要になりますが、売り主にとっては買い替え特約はメリットの高い特約ではありません。そのため物件の立地条件が良くて人気の高い物件の場合は、買い替え特約を付加することが難しいケースもあります。

 

売り先が決まっていない場合は、ダブルローンのリスクを回避するためにも、購入契約をする前に買い替え特約の付加が可能かどうか確認した上で契約をされることをおススメします。

 

また、不動産業者の中にはマンションの買取を行なっている業者もありますので、そうした業者への売却を考えてみても良いかも知れません。

4.まとめ

残債ローンのあるマンションの住み替えのコツについて確認して来ましたが、無理のない返済を行なうためには、まずは現在のマンションの売却査定を行なうことをおススメします。

 

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現在の住まいのおおよその売却価格が分かれば、無理のない住み替えローンを組むための新しいマンションの購入の上限価格も確定して来ます。

 

そして、将来を見据えた無理のない住み替えローンにするためには、毎月の返済金額が現在の返済金額を大幅に上回ってしまうことなく65歳までに完済出来るかどうかも重要なポイントになります。

 

あまり返済期間を長くしてしまって長期ローンにしてしまうと老後の生活資金を圧迫してしまうこともありますので、注意が必要です。