マンションの売却は効率よく行ないたいものです。売却先が決まってから慌てることのないように、どんな書類が必要なのか事前に調べて準備しておきたいものです。
そこで、マンションの売却を行なう際に必要な書類についてお伝えしたいと思います。
1.マンション売却に必要な書類
マンションを売却するのに必要な書類にはどんな書類があるのか確認しておくことにしましょう。必要書類にはマストなものと必要に応じて提出が求められるものがありますので、それぞれリストアップしておきましょう。
マストな書類
まずは、必要書類の中でも必ず提出が求められる書類についてリストアップしておきます。
●登記簿謄本(登記事項証明書)
●登記済権利書(登記識別情報)
●固定資産税評価証明書
●マンション管理規約
●銀行口座書類
●本人確認書類
●実印・印鑑登録証明書
必要に応じて提出が求められる書類
ケースバイケースで提出が求められる書類には次の様な書類があります。
●地図(公図)
●契約書・重要事項説明書
●ローン残高証明書
●住民票
●耐震診断報告書
●アスベスト使用調査報告書
思っていたより必要書類が多いのではないでしょうか?既に手元にある書類であれば良いですが、役所などに行く必要がある書類もありますので、事前に用意しておいた方がよさそうに思えます。
2.書類の内容と入手先~法務局~
マンションを売却する際に必要な書類が分かりましたが、それぞれの書類の内容と入手方法について確認しておくことにしましょう。
マンションなどの不動産に関する情報は「法務局」で保管されていますので、まずは、法務局で入手することが出来る書類から見ておくことにしましょう。
登記事項証明書/登記簿謄本
マンションなどの不動産についての所在地や広さなどの基本情報、権利関係など登記されている記録内容ついての証明書になります。
登記されている記録が電子化されている場合は「登記事項証明書」、電子化されていない場合は「登記簿謄本」という名称になります。両者に内容の違いや効力の違いはありません。登記されている時期によって、電子化されているかどうかの違いがあります。
登記識別情報/登記済権利書
登記名義人に対して法務局が交付するものになります。マンションなどの不動産の所有者が登記名義人であることを証明するものになります。そのため、所有者だけが所持しています。
通称「権利書」とも呼ばれていますので、耳にされたことがある方も多いのではないかと思います。
また、平成17年(2005年)以降に取得したマンションなどの不動産の場合は、「登記済権利書」ではなく電子化された「登記識別情報」が発行されています。
登記簿識別情報は、あくまでも12桁の英数字パスワードで情報を確認することになります。そのため、以前のように紙ベースの登記済証は発行されなくなっています。
売買契約が成立すると、登記識別情報/登記済権利書の「移転登記」手続きを行うことになります。そうすることで、所有権が売手から買手に移行することになります。
地図(公図)
マンションなどの不動産物件の所在地を証明するための地図になります。市販されている地図でも大丈夫なケースも多いですが、法務局で入手したものの方がベターです。
マストな書類ではありませんが、必要になったときに慌てることがないように他の2つの書類を取得するときに合わせて取得しておいても良いのではないでしょうか?
法務局の業務時間は、平日午前8時30分~午後5時15分になりますので、出向くことが難しい場合は不動産業者などに代行を依頼することも可能です。
3.登記識別情報/登記済権利書を失くしてしまった場合
マンションの売却に欠かすことの出来ない書類「登記識別情報/登記済権利書」を、探したけれども見つからない…そんなことになってしまったらどうすれば良いのでしょうか?
実は、登記識別情報/登記済権利書は再発行することが出来ない書類になります。けれども、「本人確認情報の作成」を申請し依頼することで売却することが出来ますのでお伝えしておきましょう。
以下の本人を確認することが可能な証明書を持参して申請することで作成してもらうことが出来ます。
1号書類(以下の内いずれかひとつで作成が可能)
●運転免許証
●外国人登録証明書
●写真つきの住民基本台帳カード
●パスポート
●運転経歴証明書
2号書類(1号に該当する書類がない場合、以下の内いずれか2点必要)
●国民健康保険の被保険者証
●健康保険の被保険者証
●船員保険の被保険者証
●高期高齢者医療の被保険者証
●介護保険の被保険者証
●医療受給者証
●健康保険日雇特例被保険者手帳
●国家公務員共済組合の組合員証
●地方公務員共済組合の組合員証
●私立学校教職員共済制度の加入者証
●国民年金手帳
●児童扶養手当証書
●特別児童扶養手当証書
●母子健康手帳
●身体障害者手帳
●精神障害者保健福祉手帳
●療育手帳または戦傷病者手帳
3号書類(2号に該当する書類が1点しかない場合以下の書類が必要)
官公庁から発行された書類と、氏名、住所、生年月日が記載された書類。
申請をして作成されるまでに日数を要しますので、余裕を持って申請されることをおススメします。
また、「事前通知制度」という方法もあります。こちらの方法は、次のような方法で行なうことが出来ます。
Step1権利書の紛失理由を登記申請書に記入して登記申請を行います。
Step2法務局より本人限定受取郵便で書類が送られてきます。
Step3法務局から送付されて来た書類に実印を押印して返送します。
Step4登記手続きが完了します。
事前通知制度の手続きは本人確認情報の作成よりも簡単ですが、期限までに書類の返送を行なう必要があります。書類の返送を行なわなかった場合は、登記申請が許可されなくなってしまい名義変更が不可能になりますので、注意が必要です。
4.市区役所で入手出来る書類およびその他の書類
それでは、市区役所で入手出来る書類について確認しておくことにしましょう。
固定資産税評価証明書
マンションなどの不動産の固定資産税の納税額を確認するための書類になります。移転登記を行なう時にかかる税金「登録免許税」を計算するのに必要な書類です。
市区町村から送付されて来ますが、紛失してまった場合は市区役所に再発行を依頼することが出来ます。
印鑑登録証明書
市区役所に申請することで取得することが出来ます。印鑑登録証明書は3ヶ月以内のものが有効であるケースが多いため、取得して3ヶ月が経過してしまったなら新しいものを取り直しておいた方が良いでしょう。
また、共有名義の場合は、共有者全員の印鑑登録証明書が必要になります。
住民票
売却するマンションの登記住所と、現住所が異なる場合は住民票が必要になります。住民票も3ヶ月以内に発行されたものが有効なケースが多くあります。
市区役所で入手することが出来る書類について確認して来ましたが、「契約書・重要事項説明書」、「マンション管理規約」、「銀行口座書類」は既にご自分でお持ちの書類になると思います。中でもマンション管理規約は、マンションのルールについて事前に知っておきたいと思っている方が多いので、売却をスムーズに行なうためにも用意しておいた方がよい書類といえるでしょう。
「ローン残高証明書」は、住宅ローンが完済していない場合に必要になりますので、金融機関に依頼すれば発行してもらうことが出来ます。
また、新耐震基準が導入される1981年以前に建てられたマンションの場合は「耐震診断報告書」を、1989年以前に建てられたマンションを売却する場合は「アスベスト使用調査報告書」を用意しておかれることをおススメします。
マンションを売却する際に必要な書類について確認して来ましたが、売却を考えるときには是非、参考にしてみて下さい。